野党は「後期高齢者保険法廃止法案」を提出した。
 この法案は、小泉時代に強行採決されたものだ。当時法案を自民党として最終審議した際の自民党総務会長であった堀内氏は、「姥捨て山法」だとして猛烈な反対論を展開しているが、「その時は余り検討していなかったと、今になって忸怩たるものを感じる」と述懐しているのである。
 たとえば「掛かりつけ医」になって、患者一人当たり月に6千円もらっても、その患者の治療費が、持病の慢性疾患だけならその範囲でやれるとしても、そのほかに、胃潰瘍の疑いが出でもしたら、胃カメラの検査も出来ないことになってしまうのだ。
 こんなことは、一旦法を執行してみないと分からない問題ではなく、法案を立案する段階で、簡単に推定できることなのだ。
 更に、サラリ−マンの給与明細書に、高齢者に対する保険料の負担分を記載するようにする、という。 わざわざこのようなことをする意図はみえみえである。 これだけ負担しているんですよ、ということをはっきりさせて、現役層に負担の重荷を感じさせ、後期高齢者医療制度の必要性を痛感させようという魂胆なのだ。 いかにも役人が考えそうな知恵ではないか。 一体厚労省のバカ役人どもの頭の構造はどうなっているのか、と言いたくなる。 保険料を下げるくらいですまされる問題ではないのだ。 一旦廃案にして、一から考え直すしかあるまい。 村上新八