航空自衛隊のイラク空輸支援問題について、名古屋高裁の判決が下った。
 「空輸するものには、兵士などが含まれているから、後方支援といってもね戦闘の一部であり、憲法違反である」「また、テロの掃討作戦など戦闘が行なわれているバクダッドは、『イラク特措法』の非戦闘地域とは看做されないから、特措法違反である」というものである。
 この点は画期的な判決として評価する。
 しかし、一方、派遣差し止め請求については「原告に実害がないことだ」として却下した。
 この判断はおかしい。合憲か違憲の判断は、原告の利害とは無関係に判断すべきものである。これを「実害のないことだから文句を言うな」と言うのは、政府に遠慮した「こじつけの屁理屈」である、と言わざるを得ない。
 村上新八