21カ国と1機構で構成されるアラブ連盟の団結は、連盟が提唱している「包括的和平構想」を通じて、中東和平への一大推進力だと思うが、シリアで開催されている主脳会議に親米派のエジプト、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン政府が欠席していることは誠に残念である。
 その理由は、反米路線の主催国シリアやシリアが支援していると見られているレバノンの反政府勢力ヒズポラを嫌ってのようである。
 イスラエル寄りのアメリカがアラブ連盟の団結に楔を打った形だが、それはイスラエルを勢い付かせ、ユルダン川西岸の占領地居座りとパレスチナ紛争の恒久化につながる結果を招くだけではないか。
 アラブ団結の必要性を大局的に判断することが欠けているのだ。誠に残念である。
 村上新八