台湾総統選で、国民党の馬英九氏が対象した。
 馬氏は中国寄りとみられていたが、台湾人は中国との経済的な結びつきを強めるのは、台湾独立志向を強く打ち出す民進党よりは、国民党の方がよいと判断して馬氏を選んだものと思う。
 馬氏当選直後にチベット騒乱が発生し、それに対する中国の対応に疑念を抱いたこともあろうが、馬氏の発言は、「現状維持」「主権問題は棚上げとする」「統一せず、独立せず、武力行使せず」の三つのNOを強調するなど独自色を強くしている。
 中国の温家宝首相の台湾もチベットも「共に中国の統一主権に関わる問題だ」という発言に対しても「台湾は主権国家でチベットとは違う」ときっぱり批判する態度も評価できる。
 馬英九総統には、この調子で、中国とは政治面ではつかず、経済面では離れずの形を維持し、他面、日米韓とも密接な関係を維持するという形で、台湾の経済発展と政治的安定、自立を推進することを望みたい。
 村上新八