民主党からNOを突きつけられるのは分かりきっているのに、日銀総裁候補に武藤氏の次に同じ経歴の田波氏を持ち出してくる福田のセンスはどうなっているのだろうか。
 福田は、その理由を記者団に問われて「良識だ」と言ってのけたが、「良識がない」のは自分のことではないか。
 民主党が「武藤をNOとしたのに、同じ経歴の田波をYESとする理由がみつからない」と言うほうが筋は通っている。
 つまるところ、財務省の「日銀生え抜きが二代続いたのだから、今度こそ財務次官経験者で総裁ポストを取り戻したい、という執拗な執念に福田が負けたのであろう。総裁任期も19日で切れるし、民主党も切羽つまっているはずだから、折れてくれるのではないか、くらいの思いで田波を出したのかも知れない。
 それでは、民主党が田波OKの理由付けに窮する、ということまでは考えなかったのか。
 財金分離の大原則を踏みにじりたくて仕様がない財務省の執念を、ここできっぱり断ち切るべきである。
 村上新八