ブッシュ政権は、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムロ−ン)の焦げ付きに端を発し、世界の大金融機関が軒並み兆円単位の赤字に陥った経済危機に対して16兆円の景気対策を打とうとしている。
 税の還付と金融緩和で個人消費を煽り、これを梃子にして、設備投資を促進させることを狙っているようである。
 この政策の成否についての見解は二分しているが、これが消費にまわらなければ、ファンドヤオイルマネ−の暗躍で、食品や燃料が軒並み値上がりするなかで、インフレに火をつけ、景気停滞とインフレが同時進行するスタグフレ−ション襲来の恐れが危惧されている。
 この病根は、マネ−ゲ−ムの暴走にあると思う。サブプライムロ−ンのようなリスキ−な債権を、巧みに証券化して分散してしまったリスクが表面化し、損害を世界中にばら撒いてしまったのである。
 このようなマネ−ゲ−ムの暴走を止める措置を取らない限り、ファンドを含めたマネ−ゲ−ムによる禍根は繰り返されるのだ。
 村上新八