薬害肝炎被害者の一律救済についての政府と被害者の合意書の調印が行なわれた。大変喜ばしいことである。ここに到達するまでの5年にわたる被害者の大変なご努力にも敬意を表したい。
 しかし、これで救済されるのはフィブリノゲン投によって肝炎を発症したと推定される約1万人のうちの1000名に過ぎないのだ。あとの9000名はどうなるのだろうか。病院でのカルテ保存期間の5年はとっくに経過しているから、投与を証明する手立ては少ない。証明するものがないから救済の対象外に置かれてしまうのであろうか。
 これでは期間の線引きはなくなったが、証拠の有無での線引きが残ってしまい、一律救済とはならないのである。これは何とかならぬものだろうか。
 村上新八