任期も1年を割った今頃になって、レ−ムダックになってしまっているブッシュがパレスチナを初訪問した。
 ブッシュは「私の任期中にイスラエルとパレスチナが和平条約を締結することは可能だ」と述べた、という。
 が、中東和平の鍵であるヨルダン川西岸へのイスラエル人の植民とパレスチナ領域に大きく食い込んで建てれている隔壁問題については、ブッシュは「中東和平条約のロ−ドマップの遵守を求める」と述べたに止まった。
 これでは和平が進展するわけはない。
 アフガン、イラク、北朝鮮と、外交面での成果はゼロどころかマイナス点であるブッシュとしては、中東問題で成果を残したい、という気持は分かるが、解決の意欲だけ示しても何の役にもたたないのだ。
 ブッシュは、残り任期の間に、イスラエルには、全占領地からの完全撤退を迫り、パレスチナには対イスラエルテロ攻撃の完全中止を説得する努力でも続けたほうがよい。それができたら、ノ−ベ平和賞ものだが。
 村上新八