オハイオの民主党候補戦で、オバマに負けたヒラリ−は、続くニュ−ハンプシャ−州選挙ではわずか2ポイントの差であるが、オバマに辛勝した。
 これは選挙日の前々日に、支持者の質問に見せた「ヒラリ−の涙」が全米にテレビ中継で流れ、それが女性票の増につながったものと見られている。
 大統領候補選の初戦に敗れたというのは、一種の危機だが、それで涙を流すような弱さではいくつもの危機に直面しても、それにク−ルかつ賢明に対応し、処理しなければならない危機管理能力を要求される大統領としての資質に欠けるものと言わねばならないであろう。
 女性大統領が涙を流しても、テロが手を緩めることはないのだ。
 「お高い、冷たい」と、ヒラリ−を嫌っていた女性が、ヒラリ−の涙を見て、人間らしさを感じて、同情したのだ、というが、世界の冠たる超大国、米国大統領としての資質はいかにあるべきか、という問題をもっと真剣に考えるべきである。
 村上新八