近い将来に、経済成長の著しい中国とインドの二国だけで世界の二酸化炭素排出量の約6割を占めることになるという。
 その指摘を受けて、国境争いで敵対関係にあるこの二国が地球温暖化問題では、連携して、開発途上国としての特別扱いを要求している。
 中国は、世界のために輸出している世界の工場だから大目に見ろ、という理屈を、インドは電気もなく、日に1ドル以下で暮らして貧困層が何億もいるのだから、経済発展のよる二酸化炭素排出も我慢してほしい、という理屈である。その言い分は分からないでもない。
 しかし、地球と自然にはこんな理屈は通らないのだ。どんどんティッピング・ポイントに近づいて、それに達したら取り返しのつかぬことになるのだ。
 「お前がやれ」と言っているうちに、問題はどんどん深刻化するのだ。みんなで、それぞれが何がやれるか、やれるのかを真剣に検討し、実施するしかないのだ。
 村上新八