さて今回は、第17話「同窓会」。2007年のヒューゴー賞候補だったわけ
ですが、結論からいうと、残念ながら、単に懐かしのキャラクターが出
てくるだけのお話でした。つか、とりあえず、私はそう思いました。同
じく懐かしキャラが登場した第6話は、それなりに中味のある話だった
(と思う)ので、多少は期待してたんですが。

ひとつだけ、ちょっとよかったのは、問題のサラ・ジェーン(かつての
ドクターのパートナー)とドクターが旧交を暖める(?)シーン。その昔、
ドクターに捨てられた(置いてきぼりにされてシリーズから退場した)サ
ラ・ジェーンが、愛憎入り混じった恨み節をドクターにぶつければ、一
方のドクターは、ほとんど不老不死の身で短命な人間とつき合うことの
つらさを吐き出す、という。

新旧のパートナーであるローズとサラ・ジェーンが、互いに嫉妬して言
い争ったり(直後に急に仲良くなったり)するあたりは、ミッキー(本来
のローズの彼氏)が言うように「元カノと今カノの争い」つう感じで、
ふつーに笑えるけど。
# 「あなたもいつかは捨てられるのよ」って、うわ。

10代目になって、さらに若々しくなったドクターと、明らかにオバサン
になっちゃったサラ・ジェーン(30年前のシリーズの出演者)。彼女の元
に残されていたロボット犬のK9も、壊れて動かなくなってるし。

まあ、特撮番組やアニメのヒーロー(あるいは悪役)の日常生活の悲哀、
みたいなエピソードなんて、そんなに珍しいものではないだろうけど、
今回の話の場合、最初から同一の世界と同一の主人公によって続けられ
てきた長寿シリーズ(しかも実写!)という特徴が、うまく活かされてた
んじゃないかと。

そういえば、ヒーローものの陰の部分にあえて目を向けるといった趣向
は、第11話(第4,5話の悪玉エイリアンの生き残りが再登場)のときにも
あって、あのときは、悪玉をやっつけて現場を去っていく主人公は、そ
りゃ気持ちがいいかもしれないけど、実際はそれですべてが解決するわ
けじゃない。主人公なんて、面倒な後始末は他人任せにして、好き勝手
やってるだけじゃないか。てなことを悪玉が語ったり。
# エピソード全体としては、死刑制度の是非が主題だったように思いま
# すが(ドクター自身は死刑肯定派)。

ともあれ、次回は第2シーズンの白眉ともいわれるエピソード。期待し
て待ちます。
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AMAUMA