福田首相といえば官房長官時代から「とぼけ」てみせるのが得意で、それが愛嬌がある感じであった。
 しかし、「08年3月までに最後の一人のまでお支払いします」という参院選での公約についてはすっかり忘れてしまったらしい。
 この公約は安倍や枡添がしたものだが、福田が自民党総裁と首相の座を継承したのだから、当然この公約も相続したのだ。ところが、その実現が不可能となってしまった。
 これについての記者の質問に「それが公約違だ反というのは一寸大げさではないですか」と、年金というすべての国民の生活の主柱ともいうべき大問題の認識とそれに対する政権政党の公約の重みを忘れたかのような発言をしたのだ。これだけでも「辞職」に値する発言である。
 それが失敗だと気付いたか、まわりから注意されたか分からぬが、その弁解をするつもりだったのだろう。今度は「年金が国民の生活に直結するものとの当たり前の意識がなかった」と、総理どころが政治家としてもあるまじき発言をした。
 福田の頭のなかは一体どうなっているのだろう、といぶかしくなる発言だ。
 福田の「オトボケ」は演技ではなくて、本当に「ボケ」ている証拠である可能性がある。
 村上新八