自民党が参院選で述べた、宙に浮いた年金について、08年3月までに「最後のお一人まできちんとお払いします」と述べた公約は、実現できないことははっきりした。
 それについて、この期に及んで「国民の誤解だ」などと誤魔化そうとしても国民は絶対に納得するはずはない。自民党は「うそつき政党だ」という認識を高めるだけだ。
 これは、見通しの甘さと言うよりも、選挙向けの「空手形」であったと見るのが正しいであろう。
 そこへもってきて、今度は、枡添厚労相が「台帳との照合を2年でやります」と言明した。社保庁長官は、長妻議員から再三「2年と確約せよ」との要求にも「厚労相の指示に沿って努力します」と応えるだけで、確約はしなかった。出来るわけがないことを示唆したものであろう。
 また、元厚労相幹部は、「こんなことは絶対にできない。2年どころか100年は掛かる」と述べているが、コンピュ−タ−ではじかれた2000万件について、全国に分散している茶色になったボロボロの紙台帳との照合は、すべて気の遠くなるような手作業である。100年というもの分かる。
 大体、枡添は調子が良すぎる。出来もしないことを、せかせか、調子よく引き受けるだけでは、政治家としての先見性や政治家の言葉の重さについての認識を欠く奴だと、自己宣伝するだけだ。引退して無責任に発言できる評論家稼業でもやったほうがよい。
 村上新八