力を持たぬ正義も拒否権のある国連も無力
「力を持たぬ正義は弱い」と言ったのはパスカルだが、常任理事国に拒否権を与えている国連も同様である。
正義をほ主張しようとする決議案が
利権のつながりを持つ常任理事国の反対にあって潰されてしまったり、骨抜きにされてしまうからである。
緊張が続くミャンマ−でも、急激、過大なガソリンの値上げを機に僧侶を中心として立ち上がった全国規模の平穏なデモに対して軍事政権は武力を以ってその鎮圧にかかり、強引に抑えつけた。
1990年の総選挙でアウンサン・ス−チ−率いる国民民主同盟が圧勝し、民主化が進むことが期待されたが、国軍はこれを無視して、ス−チ−を17年に亙り軟禁したまま政権の座に居座り続けているのだ。
これに対して国連は、平穏なデモに対する武力鎮圧への非難とス−チ−はじめ政治犯の釈放を求める決議案を採択しようとしたが、中ロの反対で決議案には至らず、結局「強い遺憾」という弱い議長声明しか出せなかった。
こんなものでは、軍事政権は微動だにしないことは分かりきったことなのだ。
ミャンマ−の軍事政権による圧政は今後も長く継続することは間違いあるまい。それによるミャンマ−民主化の遅れによる独裁軍事政権の圧政継続と国民の苦しみに対する責任を中ロが持つはずはないのだ。
常任理事国の拒否権こそ、在るべき国連機能を無力化し、国連を無能力化する癌である。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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