無実の罪で服役後、真犯人が見付かって無罪になった富山の強姦冤罪事例の真実は闇のなかのままである。
 この事件は、無実であるのに、脅かされ続けた取調べ中だけでなく、もう脅かされることもない裁判でも犯行を認めたような被告も弱いが、警察も検察も弁護士も判事も皆いい加減であったことによって起こった悲劇である。
 被告には立証できるアリバイがあったのに、被告の利益を守るべき弁護士が何故それを活用できなかつたのか、裁判所は、警察の犯人捜査の経緯や被告の態度、調書から何故「自白の怪しさ」を見抜けなかったのか、等など数々の疑念が残る事案である。
 来年から始まる「裁判員制度」の教訓事例としてもこの事案の真相は是が非でも解明しなければならない。
 その解明は、どこがやるか。それは弁護士という職責の名誉回復のためにも、弁護士会が、仲間かばいはやめてやるべきではないか。
 村上新八