1日、国会で福田首相の所信表明演説が行なわれた。
 早口で、手振り身振りもなく、変な抑揚もつけずに、淡々と原稿を読み飛ばした地味な演説であったが、はったりやケレン味のない真面目な演説ではあったと思う。こんなところか゜福田首相の真骨頂なのであろう。
 安倍の「憲法改正」「戦後レジ−ム改革」「集団的自衛権」「美しい国」などのはったり、戦前回帰的な言葉は完全に消され、「自立と共存」が福田標語として登場した。
 多用された言葉は、「話し合い」と「改革」であった。
 衆参逆転の状態で、前国会での強行採決法案が見直される動きが出て、野党の意見に耳を傾けようとし始めてきているのはよいことである。
 こんなことは、当たり前のことだが、そのような様変わりを反映した演説であったと思う。
 福田の言う「改革」は、「失敗した改革、間違った方向の改革を見直し、それらを再改革する改革」であることを望みたい。
 そういう施策を着実に積み重ねてゆけば、福田政権は意外に長続きするかもしれない。 

 それには、緊張感を持った政策論議が出来る国会にするするために、与野党のバランスを考えるような国民の政治意識の成長が必要なのだ。
 村上新八