自己フォローです。ネタバレあり。

In article <fd9777$1cqc$3@ns.sfwj.jp>,
NOgvoSpam47068@mail.goo.ne.jp says...
>* 第6話「ダーレク 孤独な魂」→ノミネート
(略)
>このうち第6話と第17話は、旧作の懐かしキャラが登場する話。

とかまあそんな風に思って侮っていたら、なかなかどうして、それだけ
ではありませんでした。

長年に渡ってドクターの仇敵だった、ダーレク族の最後の1人が登場。
彼(?)は、事故で地球に墜落したところを地球人に拾われて、現在は、
宇宙マニアの大金持ちの「生きた資料」として囚われの身。

んで、これまた偶然の事故(ご都合主義ともいう)によって、その地下施
設に迷い込んでしまったドクターは、ダーレクを一目見た途端、血相を
変えてダーレクを殺そうとする。ドクターいわく、彼の種族はダーレク
族に滅ぼされた。そして、そのダーレク族は、ドクターが滅ぼしたはず
だった。ここにいるのは、その最後の生き残り。どうしても生かしては
おけない。

ドクターがダーレクと対面する場面。ドクターは、最初は超ビビって逃
げようとするが、ダーレクの武器が使い物にならないと知った途端、う
れしそうな顔でダーレクをいたぶろうとする。普段は、皮肉屋ながらも
(一応は)良識派っぽいドクターだけに、その落差はちょっと怖い。
# 地球にちょっかいを出すエイリアンには「やめときたまえ」みたいな
# こと言ってても、一皮向けばこれかよ。つか、これが普通っちゃ普通
# なのかもな、と。怖い、つうよりは寂しいのか。

で、途中をはしょって、最後はドクターとダーレクの一騎討ち的状況に
なるわけですが、そこに割って入ったのが、ドクターの連れのローズ。
悪辣非道なだけに思われたダーレクも、自分を恐れず、素直な気持ちで
接してくれたローズの言うことには耳を傾ける。まして自分は種族の最
後の生き残り。これからどうしたらいいのかわからない。誰か命令を下
してくれ。ドクターは「死ね」と言う。それに反発するローズ。とかそ
んなことがあって、ラストは、ダーレクが生まれて初めて自分の意志で
行動して、終幕。

とまあ、あんまり上手い要約とはいえませんが、ともあれ、懐かしキャ
ラをダシにして、戦争と和平をテーマにしてることは明らかなわけで。
もちろん、現実の世界では、そんな簡単なもんじゃないだろ、みたいな
こともあるだろし、だからたぶん、本作のなかですら、本当に「和平」
と呼べる状態が成立したのか曖昧な感じなんだと思います。

それでも、現実に戦争やってる国(ていうか、それ以前に北アイルラン
ドの問題があったか)の公共放送が、こういうメッセージを娯楽番組に
仕込んで放送してたんだ、って思うと、やっぱりちょっとかなわんな、
と。ひとつ前の第4話/第5話には、大量破壊兵器の存在をでっちあげて
戦争を起こそうとするエイリアンが登場したし(しかもその目的は単な
る金儲け)。

あ、ひとつ付け加えておくと、かなり微妙なメッセージを含みつつも説
教臭くはなく、ドキドキ系のドラマとして普通に面白いところは偉い、
と思います。やっぱ。ていうか、むしろ、ここがいちばん大事。
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AMAUMA