安倍首相が24日5時に病院で記者会見をして、国民に詫びた。
 その際に、本当の辞任理由は「病気」であったこと、巷間に噂された「麻生ク−デタ−などは全くなかった」こと、辞任理由をウソついたのは、「総理は自分の病気のことを言ってはいけないと信じていたからだが、素直に『病気のために辞めます』と言うべきであったと、今は思っている」と述べた。
 安倍は「国民に真意が伝わらなかった」と述べていたが、「伝わらなかった」のでなく「伝えていなかった」のである。
 以前から安倍は危機管理の不手際を指摘されてきたが、最後は自分自身の危機管理にまで不手際が続いたのだ。
 麻生は、安倍辞任を何故止められなかったか、と責任を問われて、各派閥が一斉に福田支持になだれ込んだわけだが、「病気理由」を最初から素直に言っていたら、勝敗は違ったものになった可能性は大きいのだ。割りを食ったのは麻生だったのだ。
 ところで、総裁選の麻生の得票率は、議員票では34.2%だが、都道府県連票では46.1%。もし、自民党支持の有権者票を取ったとしたら、麻生の得票率は60%を越えたであろう、と思われる。
 それだけ、自民党議員の意識は、国民の意識と乖離していることを示すものであろうが、麻生は次ぎを期せる実績を立派に残せたと思うべきであろう。
 村上新八