敵前逃亡的な安倍の突忽な首相辞任で、自民党は新総裁の選挙でおおわらわである。 


 総裁選に出馬するのは、麻生幹事長、福田元官房長官、額田財務相は確定的だが、その他、谷垣元財務相、山崎元副総裁などもとり沙汰されている。
 更に、05年の郵政選挙で小泉にかり出された選挙基盤の脆弱な小泉チルドレン連は、小泉なしでは勝ち目なし、という思いが強いためであろうが、小泉まで担ぎ出そうとしたが、これは断られたという。
 誰が新総裁になるのかは、派閥間の訳のわからぬ合従連衡の如何によるから不透明であるが、誰がなろうとも、安倍、それに継ぐ新総裁と二代にわたって、国民の審判なしで、首相になるわけだから、早急に総選挙で国民の審判を受けるべき、という声は当然高まってくるはずである。
 その時期は、20年度の予算編成前であるべきだから、年内であろう。そのことを睨んで「小沢に対抗して、選挙に勝てる顔」という要素が強くなるであろうが、そのつもりで選んだ安倍で失敗した教訓を噛み締めて、おく必要があろう。
 政治家としては珍しく、よく笑い、ユ−モアとウイットに富む麻生は面白い男だが、それに比べて福田は暗く、陰険な感じで、国民受けとしては格段の差があるが、派閥間の駆け引きではなく、国民に分かり易く、政策、識見、体力など総合的な判断で決められるべきであろう。今度の総裁選は自民党議員の政治感覚の試金石として見守ろう。
 村上新八