人心一新と銘打った今度の内閣改造には、安倍総理はかなり慎重に身体検査をしたはずである。
 なかでも2代も不祥事を起こしている鬼門の農水相に関しては特別の配慮があったはずである。
 東南アジアへの外遊でも、常に同伴する秘書官を連れずに、残して閣僚候補の身体調査に専念させたくらいであった。
 それにも拘わらず、遠藤の農水相のような抜けがあったことは身体検査の手抜かりだ、としか言いようがない。
 与謝野官房長官は、この問題は直接的な「政治とカカネ」の問題ではなかったから、つかみにくかった、と言ったが、本人が農業団体のトップであったことは分かっていたし、その団体が不正に補助金を受け取っていたことは何年も前から会計検査院に指摘され、その返還が滞っていることも検査院に聞けばすぐに分かることだったのだ。   
 これさえやらなかったというのは、手抜かりとしか言いようがないのである。
 何か安倍内閣のやることなすこと、すべて抜けている感がしてならない。
 村上新八