舛添厚生労働大臣……
年金問題解決担当として国民の実に70%以上もの連中が期待している
とのこと、現代日本の生態を示してあまりある。

“年金”は、遠く明治の軍人等を対象とした恩給法に始まり、昭和17年の
労働者年金保険、同19年の厚生年金保険、戦後の各種共済組合などを経て
今日に至っており、その事務は国・都道府県・市区町村に及び、最近までは
特に市区町村と各地の社会保険事務所との関係が深く、その間、事務改善が
頻繁に行われ、電算化時代に入ると、地方地方により機器整備の遅速や、
事務精度の濃淡が生じ、状況把握が極めて困難な事態に陥ってしまった。
おまけに、その元締である社会保険庁は、そこに集中する膨大な資金を
もてあまし、小賢しい知恵を働かせて巨額の資金の運用を図り、
夥しい無駄遣いを続けてきた。

以上諸々の過程が今日の大混乱を形成する原因となっているのであって、
舛添如きが、その間の細かい経緯を知っているとは到底思われない。
そうである以上、省に入ってその内実を知らされるとき、呆然たらざるを
得ないであろう。

全面解決をする、などとでけぇ口をきく舛添だが、その約束を果たせなかった
ときの弁解方法を、今から準備しておく必要があるのではないか。
かつ、それによって起こるであろう国民の落胆により、アベ内閣に対する失望
が頂点に達し、自民党総崩れの要因の一つとなるかも知れない。

そうではなくても、アベはやめるべきだと主張していたくせに、入閣を乞われると
すんなりと受けるような人間なんて信じない方がいいと思うのだが……