ブッシュ政権は、イラク情勢の中間報告なるものを発表した。
 これは、。イラクの安定化に向けたマリキ政権の課題を項目毎に進度評価した成績表みたいなものである。
 これによると18項目のうち8項目が不合格になっている。この8項目は次ぎの通りである。
1石油とその収入の分配枠組み
2民兵の武装解除
3治安部隊の作戦権限
4治安部隊の中立性保持
5治安部隊の自立化
6治安部隊への政治介入の排除
7旧バ−ス党員の追放範囲
8地方選挙法の制定
これを見ると、イラク自体の治安維持能力も行動も不充分であるという項目が民兵の武装解除を含めると、5項目を占めているが、シ-ア派、スンニ派、クルドの三つ巴の勢力争いがそのまま出ている。
 イラク国家の治安維持というよりも、治安部隊のなかでで3派が割拠して相互に肱の張り合いをしている感じである。その根っこには、「石油利益の分捕り合戦」があるためであろう。これを解決しない限り、このような状態が続くのであろう。
 争いのタネを大きなものから一つ一つ解決し、皆が国富の恵みを享受しているという実感、それがイスラムの教えに合致するものであり、それををもたせられるようにすること。そして、それを維持していくためには、争いを止めることが必須であることを悟るようになれば安定化するのだろう。
 一般民衆は、心からそれを望んでいるのだと思うが。
 村上新八