朝日新聞が実施した世論調査で、投票は権利が義務か、の設問に、権利だ、と回答したのが52%、義務だという回答が41であったという。
 一般庶民が王制や藩幕政治体制から選挙権を勝ち取ったのは、国民としての権利の確立と言えよう。選挙は、喜ばしい権利の行使であったはずである。
 しかし、時代の推移とともに投票率は次第に低下してくるのである。どこの国でも同じである。だが、議会制の政党政治だから、検挙結果だけは気になり、自分は棄権常習者の癖に投票結果だけは、徹夜してテレビを見ているという手合いも多いのである。
 このような傾向に歯止めをかけようと、理由なき棄権には罰則を設けているオ−ストラリアのような国もあるのだ。投票が権利なら、棄権つまり、権利の放棄に罰則はつけられないから、当否紆余は義務だとみているのである。
 日本の場合も投票率はかなり落ち込んでいるし、選挙を無効とする最低投票率も決められてはいないのだから、投票は義務と考えるのが妥当だと思う。権利だからその不行使も差し支えない、と考えるのは間違いである。
 村上新八