夏の参院選で敗北の色が濃くなり始めた安倍首相は、その劣勢挽回を図ろうと、欠陥法案の今国会成立を急いたり、かと思えば、今度は思いつきで「社会保障番号制」を言い始めた。
 これは、年金、介護、医療に関する個人情報を一元に管理しようとするもので、米国ではやっているが、「なりすまし」やら情報漏れやらいろいろなマイナス面も出ているという。
 しかし、日本では、基礎年金番号への統合ですら、うまくゆかず、5000万件以上の「宙に浮いた払い込み」が生じ、その「名寄せ」もままならず、その原因解明さえできていない状況なのだ。
 このような状態のままで、更に「社会保障番号」設定などやったら、一体どういうことに相成るのか。
 いずれはやらねばならないであろうが、それは年金不手際の原因がきちんと解明され、再発防止対策が成功して、番号統合と管理のノウハウが設定され、定着してからにすべきである。
 参院選対のために、これ以上「とちる」のはやめにしてもらいたいものである。迷惑を蒙るのは国民だけなのだから。
 村上新八