宙に浮いた年金5000万件の権利回復対策は、そう簡単なものではない。第三者委員会を設立するだけで解決するとは誰も思わない。
 自分の年金に疑念を持つ国民は何千万人に上るでろうし、その状況もさまざまであろう。それらの実態を調査し、その原因を精査してから、ではどういう権利回復策がとれるのか、を検討して対策を立案することが先だろう。時効の停止措置などはいつでも取れるし、これだけを、審議もなしに提案即日委員会採決と言う強引さで、急いで見せて、政府の真剣さを国民にアッピ−ルさせようなどと思うのは卑しい邪道というものである。
 安倍は、10年以上も前に厚生相を勤めた菅直人に責任を押し付けようとまでしているが、菅は国民の年金番号の一本化することをを決めただけ、その実行は橋本元首相が後任の厚生相の時に実施したもので、そのル−ル設定にぬかりがあったのだ。
 それから10年以上経過しているのだ。その間にこの問題を看過してきたのは自民党政権なのである。
 菅元厚生相まで持ち出すとは、安倍の頭は、慌てふためいた「とまどい」から「血迷い」にまで暴走したとしか思えない。
 村上新八