米国がイラク、アフガニスタン、イランの問題で手を焼いているのは分かるが、これに乗じて攻勢に出てきたのが金正日だ。これに対し米国は、まるで腫れ物にさわるように、譲歩を重ねてきている。
 BDAのマネ−ロンダリング用に北朝鮮口座の凍結を解除し、納得できる理由がないまま北朝鮮を「テロ支援国」指定から外す作業を始めるとまで言っている。北朝鮮は、えたりやおうとばかりに、口座資金の送金に難癖をつけて、寧辺の封印も先延ばし、第一ステップを始めようとする気配もない。
 これが北朝鮮の常套手口だ。そんなことは分かりきっているはずなのに、「朝鮮半島の非核化」などという絶対に実現し得ない幻想に惑わされて、エネルギ−や食糧などを詐取され続けるバカさ加減は、手の付けようがない感じだ。
 「我が作戦は大成功だ。これからも世界を騙しながら核兵器増産に全力を挙げよう」と、金正日の高笑いが聞こえてくるようだ。
 「核」を制するのは「核」しかないのかも知れない。
 村上新八