細菌性髄膜炎は、肺炎球菌、髄膜炎菌、インフルエンザウイルスによって起こる病気で、頭痛、発熱、意識障害を発症し、小児の場合は、死亡率が30%と高く、治っても半身付随、言語障害、知能障害など重大な後遺症が残る恐ろしい病気である。
 日本では年に1000人余の後遺症を持つ子どもが発生するという。
 この病気は予防ワクチンがあり、世界の120カ国は、小児にこれの接種を無料あるいは軽費で義務付けており、その結果この病気は以前の1%にまで激減したという。
 しかるに、日本ではこのワクチンを認可しない状態が続いていたのだ。その結果これに罹患した小児かせ増え続けてきたのである。
 これについて、厚労省は、「効果と副作用のバランスを慎重に判断しているところである」と説明しているが、これでは、世界の多数国が採用しているのに、何故日本だけが送遅れているかの言い訳にはならない。
 HIVの場合は、非加熱血液製剤が原因であることを知りながら、厚生省OBが天下っていた製薬会社では、加熱製剤の開発が遅れていたため、外国製の加熱製剤を認可せず、その開発成功を待つために認可しなかったことがHIVを蔓延させる結果を招いたのだ。
 細菌性髄膜炎ワクチンの不認可もHIVの場合と同じ理由によるものではないか、と深い疑惑を持たざるを得ないのである。
 村上新八