10日バクダッドでイラクの安定化を図る国際会議が開催された。
 この会議には、国連安保理常任理事国とイラク周辺のアラブ国8ヶ国のイラク駐在大使や外務次官クラスが出席している。
 内戦状態に陥り、混迷の度を増しているイラクの安定化は、世界中が望むところだし、そのために敵対関係にあるイラン、シリアと米国が一堂に会するのは、意味のあることだとは思うが、この会議がイラク安定化にプラスになるかどうかは疑問である。
 この席で、イラクのマリキ首相は、「関係国は特定勢力への支援を通じて、イラク内政に干渉するな」と釘を刺したという。
 イランがシ−ア派をスンニ系の国がスンニ派を支援することによって、内戦に加勢するようになっては迷惑だ、ということはよく分かる。
 そこまではゆかなくても、この会議で、イラクのシ−ア派、スンニ派の立場、立場に理解を示すような形になれば、イラク内戦の安定化どころか、内戦を精神的に勢い付かせることにつながるのだ。
 これは、安定化に逆行することなのだが、そうなる可能性は低くはないと見なければなるまい。
 村上新八