7日に開かれた日中国交正常化の作業部会は、午前中2時間半だけ、双方の基本的立場を述べ合っただけで、午後は北朝鮮の一方的なキャンセル通告だけで終わった。
 その理由を記者が尋ねると、「原口大使に聞いてくれ」と言うだけだという。北朝鮮の新聞は、このキャンセルに関して「荒唐無稽な拉致問題を持ち出した日本側に責任がある」と伝えている通り、解決済みと言っている拉致問題を持ち出した日本が悪いと思っているのだ。
 北は、以前から「拉致問題は解決済み」と主張しているから、このような事態は想定内なのだが、北は、米中の作業部会が、建設的に進んでいるようだから、日本に対して強硬に出れば、譲歩するかも、と思って、揺さぶりを掛けてみる、というごね得狙いの賭けに出たのである。
 米中作業部会でも、ヒル次官補は、日本の拉致問題解決が「テロ支援国家」解除の条件だと、強調したというから、日中共同で、北朝鮮のこの「ならず者作戦」を叩き潰すしかあるまい。
 村上新八