柳沢発言を遺憾として、その辞任あるいは罷免を求めて、委員会出席を拒否してきた野党が、08年度予算審議の開始を契機に委員会出席を決めたことはよい。これ以上突っ張っていると国民の批判を受けることになるからである。
 予算委では、少子化問題審議が始まり、予想通り柳沢発言問題が焦点になった。柳沢発言に対する民主党など野党の追究に対して、政府側はお詫びを繰り返しながらも、これは「表現の問題」に過ぎないとしてかわそうとしている。
 「言い間違い」や言葉の「誤用」「言い過ぎ」「強過ぎ」などなら、表現の問題だと言えるが、柳沢発言は「確信的発言」なのだ。それは、「女性は子を産む機械、装置だ・・・」と発言した後で、「機械にたとえてすみませんが」とわざわざ断っていることからも分かるのである。つまり練って、練って、選んで、充分に推敲して、選択した表現だったということである。だから、確信的発言なのだ。
 これは「すみません」「反省します」だけでは済まされない問題である。これを許してもらうためには、それなりの、きちんとした「自己批判」と「転向宣言」をしなれければなるまいが、それはまだないのだ。
 村上新八