13ヶ月ぶりに再会された6者協議は全く足踏み状態のまま閉幕した。
 核兵器の廃棄はもとより、日本の重要課題である「拉致」については、日朝会談どころか、鼻も引っ掛けられなかったのだ、
 北朝鮮は、核保有を盾に強硬姿勢を崩さないまま、勝手極まる要求を突き付け、米国も一歩も引かず、というのは、始まる前から分かっていたことだ。
 北朝鮮は、金融制裁解除を核放棄の交渉に入る条件だ、として強く主張したが、これは精巧な偽ドル印刷と行使という米国の主権侵害にからむ問題だから、絶対に譲歩できないのも当然だ。
 この問題について、仮に譲歩したところで、北朝鮮は、次ぎから次ぎへと、協議当初に並べ立てた条件を繰り出すのは見え透いているから、この問題で対立したまま、進展なく終わったこと、及び核実験後の北朝鮮の傲慢姿勢が分かったことだけが成果であったとも言える。
 北朝鮮のこういう姿勢が今後変るとは絶対に思えない。つまり6者協議で、北朝鮮との対話の道を開けておくこと自体意味がなくなった、ということだ。
 こうなれば、武力攻撃ができなければ、朝鮮人民には気の毒だが、経済制裁を徹底強化して北朝鮮を兵糧攻めにして、朝鮮人民の敵、金正日体制の内部崩壊を促すしかあるまい。
 村上新八