11月に安倍総理の要請で任命された本間政府税調会長は与野党の辞任要求ム−ドに抗しきれずに、辞任した。
 本間氏の会長就任は、安倍総理が、消費税推進派の石前会長を推す財務省の反対を押し切って、経済成長派の同氏を据えた総理主導の人事であったから、その任命責任は重いものがあるのだ。
 しかし、本間氏の辞任も申し出の直前のまで、安倍総理は「続投して責任を達成して」と庇っていたのである。
 その上、辞任後の記者会見でも、辞任の理由を問う記者の質問に対して、「一身上の都合だ」と言う言葉を13回も繰り返すだけであった。
 本間会長が、愛人を市場相場の1/5以下の家賃で、一等地の公務員官舎に囲っていた行為そのものは誰からみても真っ当ではないのだし、世間は皆そのことを知っているのだから、、総理は、それに対しては率直に「知らなかった迂闊さ」を詫びるべきであったのだ。それが、この場合の、一番素直で、好感の持てる処し方であったと思う。「一身上の都合」などの言葉で繕える問題ではなかったのだ。
 この判断の悪さ、往生際の悪さ、率直でない言動は、総理の判断力のお粗末さを露呈したもの、と言うより他ない。
 村上新八