18日から13ヶ月ぶりに6者協議が再開される。
 北朝鮮は、中間選挙でブッシュが敗北したことで、アメリカの対北朝鮮姿勢の軟化を期待して強気に出てきている。
 このことは、核保有国としての認知や金融制裁に限定せず、国連の制裁の解除などを要求する反面、「核放棄は不可能」と主張していることにも表れている。
 このような北朝鮮の要求を容れるような状況変化は一切ないのだから、こんな要求が通じるわけはないが、これはアメリカの姿勢をテストしようとする北朝鮮のアドバル−ンである。
 万一、アメリカが、北朝鮮を核保有国として認め、核技術の流出だけを禁じるような妥協をすれば、それこそ、イランはもとより、核開発を始めようとする国が続出することになり、核拡散の歯止めは完全に崩れることになるのだ。
 一方日本国内には、6者協議では、重点課題の順について「拉致、核放棄」の順とすることを強調し、それが容れられなければ、協議を一時中断すべきだ、と主張する者もいる。
 これは、支持率が急落してきている安倍を支えることにはなろうが、「日本の出席は有害無益だ」と主張する北朝鮮を喜ばせるだけである。他のの4カ国が同意するとも思えない。
 その成り行きを見守るしかないが、北朝鮮が強気に出ているから、世界が望む方向へ進展することはまず期待できないであろう。
 村上新八