イラクのシ−ア派、スンニ派地域は爆弾テロの報復合戦に明け暮れる内戦状態にあるが、東北部のクルド地域は、まるでイラク復興の先進特区であるかののように繁栄しつつあるという。
 フセイン時代に追放されたクルド人の帰還が増え、アラブ人を追い出し、「ペシュメルガ」と称する独自の治安部隊が治安を維持しているため、治安もよく、ここ1年以上は自爆テロもない。
 このように平穏であるため、資本や物資も流れ込むし、独自に開発を進めている石油資源もあり、繁栄しているという。
 トルコ、イラン、イラクにまたがって住んでいるクルド人にとっては、クルド国家の設立は、長年の悲願であったが、ここで準国家ができたような感じがしているのであろうし、それが地域を繁栄させようという硬い決意と意欲ともなっているのであろう。
 シ−ア派、スンニ派地区も、実りなき相互殺戮を止めて、石油資源を共有しながら、復興に努めれば、クルド地区以上の復興と発展を遂げる条件はあるのである。
 クルド地区を範として、建設的な未来指向に転換すべきである。それを主導するのは宗教指導者しかないと思う。
 村上新八