タウンミ−ティングと言う形式は、政府と国民との対話の場という触れ込みで、小泉が設置したもので、全国各地での開催回数は、百回以上に及んでいる。
 この場では閣僚が交代で出席して、政策について説明し、会場からの質問に答える形式をとっている。
 ところが、2日の委員会で、共産党議員が、内閣府が開催地の教育委に送った質問依頼の資料を提示して、「これは『やらせ』である」とすっぱ抜いた。
 その内容は、こういう質問をしてくれという質問の文言を列記するばかりでなく、「文言を棒読みするな」「質問を依頼されたと言うな」「自然にやれ」「自分の言葉に置き換えろ」など質問態度の注意書きまで付ける、という念の入ったものである。
 これではまったくの「やらせ」である。
 テレビのルポル番組などで「やらせ」がたまにあるが、それが露見すると、こっぴどく叩かれるのだ。その「やらせ」そのものを政府が演出しているのである。
 これに対して安倍は「誤解を招くようなことはまずい」と答弁しているが、これは誤解ではなく、れっきとした証拠がある事実なのだ。
 総理補佐官は、「ミ−ティングを盛大に、にぎやかにするため」と弁明するが、庶民の「声」に耳を傾ける、というその「声」を政府が「やらせ」にしたのでは、タウンミ−ティングの本旨に反する自作自演の茶番になってしまうのだ。それは「さくら行為」そのものであり、詐欺行為以外のなにものでもないのだ。
 村上新八