東京地裁は、東京都教育委の「国旗、国歌の強要と、起立、斉唱拒否者に対する処罰は違憲である」という画期的な判決を下し、原告に対する損害賠償を命じた。これは極めて妥当な判決であると思う。
 国旗、国歌は国の象徴であるから、自然に浸透しており、自然に受け入れられている。これを知らぬ日本人はいない。それでよいのである。
 学校の入学式や卒業式で、国旗、国歌を罰則付きで強要する必要は毛頭ないし、つっぱり年代の子どもに、それを強要するのは、反感と嫌悪の感情を植えつけるという逆効果になるだけである。
 スポ−ツなどの国際試合の会場では、対戦国の国旗が掲げられ、国歌が斉唱される。その時は皆んな起立し、自国の国歌は斉唱し、他国の国歌斉唱の場合は静かに聞いているのだ。 国旗や国歌に対する敬意は決して失ってはいないのだ。それは学校の式典での強制があったからではないはずである。それで十分なのではないか。
 しかし、学校の式典で国歌を斉唱するのに、立って歌ってもよいし、歌わないで座っていても良いというのはいかにもまずい。だらしないし、反抗的な感じを与える。いっそのこと、国歌斉唱などはやめるべきである。そのほうがすっきりする。
 村上新八