ポスト小泉候補のトップと目されている安倍の政見構想は9月1日に公表する予定のようだが、その骨子が分かってきた。
 教育問題では、愛国だけでなく地域、家庭にまで入り込むことを考えているようだし、集団的自衛権については、憲法解釈の変更によってその行使を認める、などかなり保守色を強くしている。
 また、靖国問題には触れないまま、アジア外交では、アジアの民主化拡大を掲げて中国を牽制することを考えているという。これは、中国が嫌悪している靖国に対する安倍の姿勢と相俟って日中関係を更にきしませることになるであろう。
 増税や消費税については触れず、社会保障については、制度の維持可能性を高めるために年金、医療、介護の一体的な改革を目指す、と曖昧なまま。
 このような、やる気があるのかないのか分からないような、具体性のない曖昧な、安倍の政見構想に対して、谷垣の政策は、高齢者雇用促進や消費税率の引き上げ、靖国参拝はしないなど、正直で、具体的である。
 この違いは、2人の顔つきの違い、すなわち、明るい朗らかな笑顔の谷垣と、不透明、意味不明な陰影を持つ安倍の顔との対照に似ている。
 ポスト小泉には谷垣を推したい。
 村上新八