ポスト小泉は、安倍独走というが、その理由は何なのか。
 安倍の政治信条や政策理念はまだはっきりと打ち出されてはいない。この点で、一番明確なのは谷垣だ。彼の政治信条は「きずな」だ。きずなという観点からみれば、国内的には格差の拡大や市場原理が国民のきずなを断ち切り、国際的には、イスラムとアメリカ、イスラムとイスラエル、日本と中韓とのきずながバラバラに切断されている。これを今一度つなごうとするものであろう。
 確かに、世論調査での「次ぎの総理は誰がよいか」の設問では、安倍がダントツで、二位の倍くらいの数にはなっている。
 だが、それだけ卓絶した政治理念や政策を持っているわけでは全くない。アジア外交再建の志もなし、財政再建の道筋も年金、医療などすべてはっきりしていない。彼の空虚な人気を盛り上げるきっかけとなった拉致問題も今後の見通しはゼロなのだ。
 確かなのは、「外交、政治問題化している靖国問題だから、靖国に参拝するとも、したとも言わない。言うつもりもない」という普三の「風呂の屁」みたいな発言だけだ。
 9月には政策発表するというが、この調子の曖昧性は抜けまい。絶対確実当選ということになればなおさらいい加減なものになるのだろう。これはも自民党のバカ共のせいだ。
 自民党の議員どもは、小泉人気に乗って大勝した柳の下の泥鰌の再現を期待して、勝ち馬に乗ろうとしいるのだろうが、そうはゆくまい。普三総裁誕生で笑うのは民主党だけである。
 村上新八