靖国問題をめぐってA級戦犯を分祀せよとの声が高まっている。靖国とは別の戦死者を祭る霊園を造ったら、という意見もあるが、招魂社以来の歴史もあるし、「靖国で会おう」との合い言葉のもとで死んでいった兵士の靖国への思いも尊重すべきだとすれば、改めて霊園を造ることも問題がある。
 このA級戦犯分祀は、政教分離を規定した憲法上、これを神社側に強制することはできない、という意見もある。これは出来ないのではなくて、やりたくない気持が先に立っているのである。
 勿論、政府がこれを強制するとか命令するとかはできないが、これを要請することはできるはずである。決定は靖国神社側であることは言うまでもないが、それをお願いすることは憲法違反にはならない。
 最近の調査では、そもそもA級戦犯の靖国合祀を決定したのは旧厚生省で、その後で憲法上問題になることを恐れて、靖国神社側が自主的に決定したことに変更した、という経緯も分かっているのである。
 このことからも、遡って旧厚生省決定を取り消すという形でもよいのではないか。
 こんな、中韓などの近隣国を巻き込んでのごたごたには早く終止符を打ちたいものである。
 村上新八