イスラエルの攻撃によるレバノンでの民間人の犠牲者は400人近くに達している。 

 この問題でイスラエルを訪問しているライス国務長官は、オルメルト首相との会談で「即時停戦をしても数ヶ月でもとに戻ってしまうようなことではダメだ」とビズボラを徹底的に叩く戦いを支持する発言をしている。
 これでは、戦いはなお続くし、民間人の犠牲者も増え続けるであろう。
 ヒズボラはライスが言うように簡単に叩き潰せるものではない。
 ヒズボラが結成されたのは、1982年で、イスラエルのレバノン南部進攻に抵抗することが目的で、2000年にはイスラエル軍を撤退させて国民の信頼を得、その後政党も結成して、レバノン議会128議席のうち、10議席を占めているのである。ヒズボラの現在の兵力は5000名を越えていると思われ、レバノンの正規軍より強いと言われている。
 ヒズボラが、ゴラン高原をイスラエルに占領されているシリアのイスラエルに対する代理戦闘部隊であることも確かで、イランが支援していることも間違いあるまい。
 こういう武装勢力だから、一概にテロとも言えない。これを武装解除させるのは、パレスチナのヨルダン川西岸占領と同じく、ゴラン高原のシリアへの返還を行なった上でなければ不可能であると思う。
 村上新八