先の釜山での閣僚級会談で、韓国統一相がミサイル発射問題を持ち出したのに反発した北朝鮮代表が席を蹴って帰国したことがあった。そのため、この会議で予定されていた韓国からの米、肥料支援が中止された。
 これは国連安保理で、ミサイル問題で「北朝鮮非難決議」が可決される直前であったから、韓国側がミサイル問題を持ち出したのは自然であった。
 その報復として、今回北朝鮮は、離散家族面会の中止を打ち出したのだが、極めて奇妙な報復だと思う。
 離散家族の面会は、朝鮮戦争で南北に引き裂かれた家族を面会させるという全く人道的な措置である。それは韓国側に住む家族のためだけでなく、と北朝鮮側家族のためでもある。
 それにも拘わらず、中止にするというのは、まさに、人権無視の北朝鮮政府の本質を露呈させたものと言わざるを得ない。
 村上新八