サンクトペテルブルグサミットで小泉総理はブッシュ大統領に対して、自分の二度の訪朝の例をひいて「北朝鮮みたいな独裁国では、首脳同士の対話でないと、ことは進まない」と助言したという。しかし、ブッシュはこの助言を聞き入れようとはしなかった。
 米国は、クリントン政権下の94年、カ-タ-元大統領と金日成との94年合意で、核開発停止と引き換えに年間50万トンの石油と軽水炉原発の提供を約束したが破られ、ついでオルブライト国務長官との約束も反故にされた、と二度も北朝鮮に騙されているのだ。金正日との直接首脳会談でことが進んだと思っている小泉は大間違い、騙しテクニックに乗せられただけなのだ。
 小泉自身も、二度目の訪朝で取り交わした平城宣言で、ミサイル発射中止の約束を破られ、米や医薬品のだけ騙し取られているのである。
 こういう騙し、うそつき癖のある金正日と二者会談をやって、また騙されたら、ブッシュは本物のバカ者視されることになるのだ。「一度騙されるのは相手が悪い。二度騙されるのは騙される方が悪い」というが、三度も騙されるのは大バカとしか言いようがないからだ。
 小泉の浅はかな助言に耳を貸さなかったブッシュは正しい。
 村上新八