サミットでの議長声明、そこには、自国の排他的経済水域にミサイルをぶち込まれ、
イの一番に北非難の見解を示さなければならない筈のプーチンに見透かされたいた
小泉がまんまとそれに乗り、お陰でロシアは北から恨まれずに済んだ、というプーチン
のしたたかな読みがあった。「小泉の主張が全面的に受け入れられた、バンザーイ」
などとはしゃぐならバカバカしい。

小泉の記者会見では拉致問題は何等強調されることがなかった。拉致被害者家族会ら
による安保理での採択を求める署名運動は不発に終わり、サミットでも通り一遍の取
り扱いしかされなかった。今や北朝鮮と最も遠くになってしまった日本は、自力での
拉致問題の解決は絶対的に不可能となり、今後家族会らは、署名とかカンパとか、
集会やデモ、講演などの実りのない活動をダラダラ続けていくほかはない。世界的に、
毎日あちこちで何十人何百人という犠牲者が出るという重大問題が山積していること
を考えれば、たかだか数人の拉致被害(とはいえ好待遇を受けているようだ)なので
あるから、家族会らみずからも、直接北朝鮮に出向いて真相を確かめるなどの努力を
したらどうかと思う。ただ騒ぐだけで何等有益な行動をとらないなら、こういう連中
への支援はやめにした方がよい。
特に、メグミの骨でないと判明してもそれを返そうとしないのは、北の骨ならどう扱
おうと知っちゃいないということだろうが、死人に対するサキエという人間の凍り付
くような冷たさを思わずにはいられないことを特に記しておくとしよう。

小泉は、バルト海に沈む美しい夕日を見て、その光景を政権を去りゆく自分になぞら
えたと伝えられる。彼は自分のことを、アポロンかさもなくば太陽王(ルイ14世)、
或いは大日如来だとも思っているのだろうか?  それほど自惚れているならほとんど
ビョーキだな。自民党をぶっ壊す、イラク戦争支持、そのための自衛隊派遣、改革&
改革、郵政民営化その為の解散等々、これらはすべて彼の虚勢癖に根ざすものであろう。
自惚れ、虚勢癖……、彼のヘンジンとしての性格が次第に露呈しつつある。一国の
政治が個人の性格に左右され続けたという歴史がこの日本に残されようとしている。

さて、この項も大詰めに近づいた。いよいよ締めくくりに入ろうと思う。(以下次回へ)