イランのアフマディネジャド大統領という人物は、どうも常軌を逸している。
 ウラン濃縮作業の強行問題はともかくとしても、地球上からイスラエルを抹殺するとか、ナチスのユダヤ人虐殺のホロコ−ストの史実まで否定するに至っては正気の沙汰とは到底思えない。
 こんなのが出てきて、イラクのシ−ア派系テロやパレスチナの過激派を刺激すれば、中東の混乱はますます激化するばかりである。
 このような大統領の言動には、さすがイラク元首のハメネイ師も、このまま勝手にやらせていては、EUとの関係もめちゃめちゃになると悟ったのであろう。
 大統領の外交姿勢を牽制する機能を持たせたものとも思われる「外交戦略会議」を設置、大統領とは政治的に正反対の立場にある改革派の政治家を数名参加させて、重要外交問題の協議機能を果たさせることにしたという。
 これでイランが正気に戻ると思うのは、まだ早すぎるかも知れないが、中東安定化の観点からは、悪い方向ではないと思う。
 村上新八