ペリ−元国防長官は、北朝鮮のテポドン発射準備の問題についての見解をワシントンポストへ寄稿した。
 そのなかで、誘導ミサイル装備の原子力潜水艦から、発射へ向けて準備中と言われるテポドンを発射台ごとミサイルで破壊させる、と言う先制攻撃も選択肢のうちだと述べている。
 米政府は、先にテポドンが発射されればMDで撃墜する、と述べたが、ヘリ−氏は、まだMDの命中精度についての信頼性が低い点や命中したとしても、テポドンの発射によって、MD網関連の情報を北朝鮮にキャッチされる、というリスクを考えると、先制攻撃がよいというのである。
 これは、テポドンと発射台だけを破壊するもので、北朝鮮へ戦争を仕掛けるものではない。その意味で、ひとつの考え方ではあるが、問題はそれによって北朝鮮がどういう反応行動を起こすかである。
 これだけで、北朝鮮が引っ込むとは考えられない。その報復として、中距離ミサイル、ノドンで日本の米軍基地に向けて一斉攻撃でもやられたら、これも命中精度がよくないから、日本の都市、住宅地、あるいは原発にでも命中したら、それこそとんでもないトバッチリを喰うことになるのである。
 その点も考慮に入れると、ペリ−案は極めてリスキ−であると言えよう。
 村上新八