"Ya!chuu" <yasumasa@fine.ocn.ne.jp> wrote in message news:e76p8r$at2$1@news-sth.ocn.ad.jp...
> この二人に負けないように、
> 皆さんも、頑張りましょう !

軌道選士ガンダムドライブ

 スペースコロニーを出て月面基地へ行く部隊。
 それをモニターで見ているレオ。
レオ「コロニーの人口増加は止まっているんだから、月へ行っても増えないでいてくれよ」
アイカ「どうだか。私とあなたが結婚したら、その畏怖感が多くの人類に波及しないかしら」
レオ「ん、それは怖い。それで、なるべく延期してた」
アイカ「そうね。あなたはニュータイプだから」
レオ「良いね、結婚してからも僕たちはこのままだよ、これ以上は絶対に戦争を酷くしたく無いからね」
アイカ「わかってるわかってる、だから私は、あなたが好きなんだから」
 ニュース番組。
マリー(アナウンス)「コロニーの増え過ぎた人口を養うために、遂に私達は月面まで利用しようとしていました。歴史的に、これは戦争寸前の事態であると何度も証明されてきたにも関わらずです。それでも、先の戦争での目的が資源確保であるという非人道的な現実が明かされた事で、コロニーの人口減少が達成された事を、亡くなられたお年寄りと、戦争の犠牲者への哀悼も含めて、私達は感謝しなくてはなりません」
アイカ「さ、今日も畑仕事ね。あなたが私に望んでくれた事なんだから」
レオ「待ち遠しいよ」
 畑。隣の区画の畑で作業中のリッチとバイヤー。
リッチ「おたくら、なんで一緒になったの」
バイヤー「ずっと一緒でいると思ってたのだってさ」
リッチ「誰もが自分の食べ物は自分の家の庭で作るなんて、よく、こんな区画を考えてくれたよ」
バイヤー「そうそう、おかげで貨幣制度も廃止できそうな見込みが出来たしな」
リッチ「こんな区画はスペースコロニーでなくては実現不可能だったけどさ」
バイヤー「地球の温暖化が人類の技術の進化に追いつかないとは考えたくない人だって、いそうだよ」
 自分達の区画で畑仕事を始めるレオとアイカ。
アイカ「あなたが、こんなことを私としたいから、私は、あなたと一緒になったのよ」
レオ「それは、感謝してる、とても、嬉しい」
アイカ「良かった、今日も。地球生活の名残の休憩時間が(微笑む)待ち遠しい」
 発光ダイオードの棚の畑を見に行ったリッチ。
リッチ「(適当な野菜)今日は、これ食べようか」
バイヤー「うん。(レオに)トイレ、いいですか」
レオ「(アイカと顔を見合わせながら)ああ、どうぞ」
 密閉バケツで便尿を運んで来たリッチ、自分達の区画の土に、便尿を埋める。
リッチ「今日は部隊が月に行ってしまったから」
バイヤー「(便尿に土をかぶせながら)テレビを見たいので時間を合わせたくてね」
 レオ、携帯テレビのスイッチをオン。
カワチ(アナウンス)「本コロニーの部隊は月面に到着、間もなく着陸の予定です、それでは次のニュース。火星開発事業団は、地球の水を火星へ運び続けているものの、火星が植物の根付きそうな湿度になるには、まだ、とてつもない時間が掛かると、いつもの中間報告を発表しました。私達は何としても火星を緑の惑星に変えてみせる、これで地球の温暖化が停止しなくても人類は滅亡しないし、地球の温暖化が停止したら、子供を産みたい人達も、これで戦争の恐怖に怯えないだろう、これも、いつものコメントです。この番組、こんな事を言い続けていて、視聴率が心配です」
アイカ「(適当な野菜)今日、これでいい?」
レオ「うん」
 クッキング・ヒーターと圧力鍋で野菜を湯掻くアイカ。
 食卓に料理を並べる。
レオ「これで幸せ?」
アイカ「あなたが、こんな生活を永久に続けたいから一緒になった」
 隣の区画の室内のリッチーとバイヤー。
リッチー「クッキング・ヒーター、メンテナンスだ」
バイヤー「燃料、少し持ってくる」
 通路を歩いて行くバイヤー、ドアを開けたら、そこにガンダム。
 ガンダムの翼の部分から、タイヤの空気入れみたいなポンプで燃料を汲み出すバイヤー。
マリー(アナウンス)「臨時ニュースを申し上げます。月面で戦闘状態に至りました。繰り返します、臨時ニュースを申し上げます。月面で戦闘状態に至りました」
アイカ「行くの」
レオ「軍人と婚約した事、後悔してない?」
アイカ「後悔しそう。通信の付き合いは、相変わらずだったね」
 ガンダムの倉庫に来たレオ。
レオ「スクランブルは?」
バイヤー「まだ出てない。畜生、あいつら、まだ人間を増やし続けてやがったんだ」
レオ「仕様がないよ、まだ見解が相違してたんだ、あいつらがどんどん産めとか言ったからだよ!」
バイヤー「それでも戦争にならなかったら(ガンダムを指差し)こんな物がある事を笑おうと思ってたんだろ!」
レオ「そうだよ!」
リッチ「もう俺は動かすからな!」
 パイロットスーツに着替える、レオ。
 レオが宇宙服を着るのを手伝う、アイカ。
アイカ「コロニー自治政府の決定、まだかと」
レオ「マニュアルには開戦後1時間以内に出撃を決定って、誰が考えたの」
アイカ「さあ、誰なんだか」
レオ「やっぱり、僕が考えたのかな」
アイカ「生きて帰って来て。ずっと、あなたが好きだったから」
レオ「僕も、ずっと君が好きだった」
バイヤー「子供が出来なくても、ずっと好きって、おたくら本当に、それがやりたくて一緒になったの」リッチ「そういう約束で一緒になったって言ってただろ。それほど好き同志だったんだよ。それが戦争になっちまって、かわいそうだよな。これじゃあ産めなのかいって、おかしくなったんじゃない?」
レオ「そんなのには従いたくないよ!僕は永遠の平和が良いんだから!」
バイヤー「いいよ、それで」
リッチ「(オペレーター席)スクランブル、もう来たぞ」
レオ「出撃しても戦わないからな!」
 他の倉庫のモビルスーツが宇宙空間へ出撃して行く。
 レオのカンガムも宇宙空間へ出て行く。
ジョーカー「戦わないガンダムが出てきたぞ」
クイーン「戦わないと宣言していて実際に戦っていない軍隊を攻撃する言われはありません」
ジャック「そうだ、我々の結成目的は平和な暮らしに攻撃を仕掛けてきた圧政に対する反乱だ」
キング「自分の家族を養うために実際に多額の報酬を当てにして自爆を決行した事を神のために死ぬ名誉と考えていたのだからな!」
 自宅でモニターを見ているアイカ。
アイカ「レオ、戦える軍隊にならないで。自衛権を法律で認められても自国民には戦う軍隊とは思わせないで」
レオ「(ニュータイプ稲妻)寿命を待てないからって経済制裁を決断したくなんか無いだろ、みんな戦争が嫌なんだから」
アイカ「じゃあ、コロニーの、子供を産めば産むほど多額の報奨金が支払われるって地区を無くしたら、どうなの」
レオ「(ニュータイプ稲妻)それをやめないでくれなんて言わないで欲しいよ!」
 月軌道衛星宇宙ステーション。
ノット「今までに犠牲となった人々の事どう思っているんだろうね」
マリー「おそらく、無制限な人口増加を奨励していた宗教上の誤りに全ての原因があると考えているのでしょう」
カワチ「それを変えさせなかったのが、神の定めの時だったって言うの?」
ノット「それだと、今の時代に人口が増やされなくなってきた事をどう説明する」
マリー「平和の兆しと考えたいです。人間の人数は、決して兆の単位には到達しないのかも知れませんが」
カワチ「永遠に生きているのが平和なのなら、自分も、それが良いですよ」
ノット「そこまで人類の支配権を宇宙に対して行使すべき大儀があるのかどうかだけど」
マリー「宇宙人の存在確認が第一の理由だろうけど。産んだら死んじゃうのに、そんな事したくない」
カワチ「人間対人間の戦争の原因が人口増加の仕合だったのだから、人間対宇宙人も同じと考えられないか」ノット「それは、支配者の世代交代は認めなきゃならないのかも知れないけど、戦争の決断は必ずしも、その支配者には委ねられていない」
マリー「悲しい現実なのかも知れませんね」
カワチ「生きるために必死だったから軍需産業なんて、おかしな事態が存在したんだよね。お互い気をつけようね」
ノット「あのまま戦争を拡大しないでいてくれたらとは思うけどね」
 コロニーから来たモビルスーツ隊が月軌道に到達。
レオ「僕だって、宇宙世紀が始まる遥か以前から忍びの生活で何百年も生きていた人の話は知っています」
アイカ「(ニュータイプ稲妻)だから私は、あなたは永遠に生きたいと思った」
レオ「とても平和に生きたいと思っているような人だった。だから忍びの者でも何百年も生きていられたと思った」
アイカ「(ニュータイプ稲妻)嘘の、現実的じゃない超人伝説に惑わされたガンダム。とても不幸な歴史的間違いだったと思います」
 月面で爆発。
ジョーカー「誰も子供を産まなくなれば戦争は終わるんだよ!それで若者は永遠に生きていられるんだ!」
クイーン「人類の支配者の意思が、そうだから平和になる、これは時代が変わったという事でしょう」
ジャック「最早、神々の出産が戦争開始の動機として利用され、そのたびに宇宙世紀の歴史は戦争の歴史だったもんな」
キング「それも、神々の出産が、その国民の人口増加の動機となっていたから、戦争開始の動機としても利用されたという訳だ」
 月軌道衛星宇宙ステーションを離脱するマリーとノットとカワチ。
マリー「そんな酷い事になっていたから神々すなわちニュータイプは誰も子供を作らなくなったんですよ」
ノット「そうしないと平和が続かないという事が、やっと歴史的に初めて、神々に認識されたんです」
カワチ「自分は、生きていて良かったと思う。戦争が、とてもつらかったから。平和になるなら、子供を作らないで、生きてみたい」
 入電。
ジョーカー「月面国民から、ガンダムのパイロットは、いつ産むのかと言っています」
クイーン「月面国民が、そんな事を気にしているのですか」
ジャック「おそらく戦前に戦地を離脱した人達だろう」
キング「こう答えておけ、地球の温暖化を停止させる事に成功したら、そして、火星のテラフォーミングで、火星を人間が呼吸可能な植物の豊富な惑星に改造させる事に成功したら、産んでも良いと考えている、と。そう答えないと、永遠に生きたい人々特に資本家は、宇宙開発の建設材料の追加的な輸出を容認しない、と」
ジョーカー「まだ言ってる、産まないで永久に結婚生活を続けたいのが、本当の望みなんじゃないのかと」
クイーン「それは、支配されている立場の人々が、その支配のされ方を快く思っているかどうかでしょう」
ジャック「歴史的にメンバーが改革されないのは初めての事だから、わからないと答えたら、どうですか」
キング「じゃあ、取り敢えず、貨幣制度を維持して、みんなで平等に働きましょうと答えておきますか」
 ガンダムが月面に着陸。アイカはコロニーの自宅。
アイカ「あらら、月面着陸だなんて、レオは月面管理局のマリーかクイーンが好きなのかしら、ウフフ」
レオ「(ニュータイプ稲妻)僕ってアイカがバイヤーかリッチかと結婚したのかどうか知らないんだよな」
アイカ「あなたが私に、そうするように言った。だから、あなたと私との連絡は途絶えたのよ」
レオ「(ニュータイプ稲妻)そうだろうけどさ、なんで離れているのに、こんなに感じ合ってるんだ、浮気か」
アイカ「なんなのよ!それは!」
レオ「(ニュータイプ稲妻)だってアイカがバイヤーかリッチと結婚してるんだったら、僕はアイカを想像しちゃいけないじゃないか!」
アイカ「離れている私を想像している事自体が精神病なのに、これはニュータイプの心の会話も精神病と同じという事よ!」
レオ「(ニュータイプ稲妻)テレパシーが精神病だってのか、じゃあ通信の時まで事実がわからないだろ!」
 月面上を動き出すガンダム。
アイカ「もう、やめたかな。この世からガンダムを無くして、ガンダムの関係者の精神崩壊も完治してくれますようにっと」
 バイヤーとリッチが来て、
バイヤー「食事、一緒にどう?」
アイカ「バイヤー、レオに何か言った?」
ジョーカー「言ってない、よな」
アイカ「リッチが言ったんだろか」
バイヤー「どうしたの」
アイカ「なんかレオが、変な感じがしたんだけど」
ジョーカー「俺達、アイカと仲良くしない方が、良い?」
アイカ「どうしようかと思った。あなたたちしか今ここには、いないから」
バイヤー「俺達しか、だってよ」
ジョーカー「一緒の食事は、やめときますか」
アイカ「食事くらいなら、いい」
 月面の爆発地点に来たガンダム。
レオ「この事故も、僕が予告したんだよなあ、負傷者いるのかなあ、人口増加が限界に達していると感じたから、事故を予想できたんだけどさあ、いつも事故の原因は、わからない、だったからさあ、なんで僕がニュータイプなんだよと思ったよ、こんな事が続いたら僕、悲しいよ、本当、自分が生きていられるのかなって不安だよ」
 ガンダムを画面でモニター。
ジョーカー「その環境が、とても過酷だった為に、死んでやる!と言って産んだ人もいたようですね」
クイーン「その人の人生は、その人と、その人の配偶者との責任でしょう」
ジャック「過ぎた事を言っても仕方ないでしょう」
キング「我々のすべき事は、戦争にならないように生きている事でしょう」
 月面の爆発地点に到着する救急隊。