起こるべくして起こった昇降機事故
少年の命を奪ったシンドラ−社製のエレベ−タ−事故についてのメ−カ−側の謝罪と説明が11日になってやっと行なわれた。
メ−カ−側の最高責任者や社長は、「設計や構造が原因の事故は小数点以下にゼロが13も並ぶほど少ない。設置やメンテナンスが原因の場合が多い」と強気の姿勢を示すとともに、トップの対応が遅れたのは「日本でそんなに大騒ぎになるとは思わなかったからだ」と述べた。
これはおかしな話である。メ−カ−なのだから、自社製品の安全には万全の対応をすべきである。メンテナンスがメ−カ−外の独立系であろうと、なかろうと安全保障の責任は変らないのだ。独立系であれば、メンテ技術や部品入手の面でメ−カ−系よりも劣ることになるから、一層万全の体制をとらねばならないはずである。それがメ−カ−責任というものである。
しかし、実際は、独立系のメンテ会社には、点検や修理のマニュアルも渡さず、部品供給も渋るのが実態だという。
これは間違いないことであろう。
安い料金を武器に、メンテの仕事を奪う商売仇の独立系の仕事を邪魔しようとすることは充分考えられることなのだからだ。
更に、顧客がメンテ会社を変えるときの事故経歴の引継ぎもないという実態もあるという。
こういう一連の事情を考えると、この事故はいつか起こるべくして起こったものだと言わざるを得ないのである。
メ−カ−と監督官庁に、事故原因と背景の徹底解明に基づく猛省と抜本対策の実施を望みたい。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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