引用開始
 1985年の春のことである。アメリカ大使館の一行が公明党機関紙
である聖教新聞社を訪問するという。そこで、杉田を含む「芸術部」
メンバーが迎えることとなった。

 ところが、会食の席上で、杉田の耳に入ってきた池田の言葉は、
おおよそ宗教とはほど遠いものだった。

「“男は嘘つきだから気をつけろ”とか、“戸田先生(故・学会2代会長)は
お金儲けが下手で、苦労した。
私は、26歳のとき戸田先生の下で出版業をやって成功した、
もう二度と金に苦労しないと思った”などという話でした」

 食事は進み、残るは最後のデザートだけになった。
テーブルには一つの皿が運ばれてきた。その皿にはメロンが載っていた。
「このメロンは天皇陛下と私しか食べられない」
 池田はメロンを指して自慢げにいった。池田のメロン好きは有名である。
池田はスプーンでメロンをすくいうまそうな表情で、一口食べた。
そして周りを見回していった。
「みんなに食べさせて上げよう」

 本当かどうかはわからないが、貴重なメロンである。
杉田は、そんな貴重なメロンをみんなに味わわせてあげたいと思っている
池田の思いやりに少し感激した。

 ところが、池田は、自分の食べかけメロンの皿を横の人間に回した。
そしてその人間は、同じスプーンでメロンをすくい口に運んだ。そして次へ・・・。

 彼らは喜んで次々と同じスプーンを口に運んだ。
 席には男性幹部や女優たちがいた。中には、スプーンをしゃぶる
ようにする中年の幹部もいた。
嫌悪感が背筋を走った。