都教委は、校長に対する指示事項に関しては教員会議での挙手、起立などで賛否を決してはならない、との通達を出したという。
 問題にしているのは、卒業式、入学式、創立記念日等における国旗掲揚と起立しての国歌斉唱の問題であろう。これについては、先に、これに従わない者は処分されることになっている。が、これは、強制はしない、という国会での政府側答弁とは食い違っているのだ。
 そもそも、これが間違っているのだ。やりたくない奴に無理やりやらせてみても、反発と憎悪感を煽るだけで、それは国旗、国歌に対する敬意の念を損なうだけだ、ということに気が付かないはずはない。要するに、外従内反でもなんでも構わない、形だけ整えばよい、ということなのだ。いかにも、官僚の浅知恵で考えそうなことではある。
 しかし、今度の通達は、更に度を越している。軍隊なら、上官の命令をいちいち会議に掛けて論議して、採決をとっていられない。そんなことをしている間に敵にやられてしまうからだ。だから、上官の命令が間違っていようと、いなかろうと、は絶対なのだ。
 都教委は軍隊の司令部のつもりでいるのだろうか。多数決で決めるわけではないが、と断っておいて、その上で教員会議で賛否を問うことは、教員の多数意見はどうなのか、をつかむことなり、それは意味のあることだと思う。
 こんな通達は、ばかばかしいにも程がある。こんな教育委員を任命する奴が大ばかだ。文部科学大臣は良識ある見解を出すべきである。
 村上新八