パレスチナの政権党となったイスラム過激派ハマスに対する援助停止という兵糧攻め包囲網が出来上がりつつある。
 EUについで米国がハレスチナ自治政府への直接援助の凍結を相次いで発表している。国連の中東和平「4者協議」が要求している「イスラエルとの共存」「武装闘争の放棄」「毀損の和平枠組みの尊重の3条件の受け入れを、ハマスが拒否しているからである。
 これに対してハマスは「性急で不当な決定だ」と反発しているが、テロ集団と決め付けているハマスに資金援助することは米国としては絶対に出来ないのは分かる。米国が最低限の人道援助にとどめることはやむを得まい。
 これでは民衆が干上がることになるだけではない。その間にイスラエルの一方的な隔壁建設がどんどん進められ、被占領地が囲い込まれ、既成事実化されてしまうのだ。これはパレスチナ紛争の恒久化に繋がることを意味するものである。  これを避けるためには、ハマスは、イスラエルに対して、イスラエルとの共存承認と武装闘争の放棄と引き換えに、占領地からの全面撤退の提案をすべきではないか。 ボ−ルを投げ返すことで、話し合いの糸口を確保することが先決である。 村上新八